投稿

1月, 2022の投稿を表示しています

1/26 新たなる解LP発売の話

イメージ
新たなる解レコード 今日発売日。 ココナッツディスク池袋ありがとう! ココナッツディスク吉祥寺ありがとう! 最高。 ジャケットはCOMPLEXの新顔、幻獣カーバンクル。 TIDEは今や日本美術界の至宝とも言われる(かは知らないが)人になった。 彼からの「カーバンクルを描いてみたい」というアイデアでこうなりました。最高。嬉しい。 いでくんの話はもう少し先に、 https://linktr.ee/ayutokio で話すことになりますから、チェックしてみてください。 ちなみに現在15名ほどの方からのコメントを公開中。 みなさんほんとにありがとう! ----- ということで、 またレコードが出来た。音楽は楽しい、そして音源は良い。 「ステレオ」の音源が好き。 この「ステレオ」というものが好き。 録音した音を左右に振ったり、後から音を加工してよく聞こえるように工夫したり、よくなく聞こえるようにしたり、切ったり貼ったりして、ずらしたり、伸ばしたり(あんまりしない) そんなふうに出来上がる手の込んだ音源作品が好き。ポストプロダクションっていうのかな。 最終的に、誰が喜ぶのか意図もよく分からない、フェチズムの溝に落っこちていった先の音が好き。 でも、最後の最後は、結局剥き出しの心みたいな音がいい。そうなればいいといつも願ってる。 レコードにすることにそこまで大きな意味は、ないな。 ものにすることに偏執的な執着心を燃やしているわけでもない。 だけど、「製品」は大好き。 製品が好きなのは、製品の前後左右にはそれを生み出す個人やチームの人となりが見え隠れするようなとこがあるからだと思う。 俺たちの作っているものにもそういうものがあるよ。 「新たなる解」のレコードにももちろんある。この作品を気に入ってます。 ところで、 昔、なんかのイベントにすみれちゃん(twee grrrls club)に呼ばれて出たことがあって、すみれちゃんがdjをしてたと思う。 なんのレコードだったかわすれたけど、みんなが持っているようなレコードから曲をかけていときのこと。 すみれちゃんはきっとそのレコードをいろんな場所でかけていたんだと思う。 いろんなときに持っていっていたんだろう、ジャケットがボロボロになっていて、かっこいいと思った。 レコードを「消耗品」として使用するという感覚を初めて知った日だった。 それ以

1/19 狐の嫁入りの話、ゆうくん25thの話、その他

イメージ
先日、 「新たなる解」レコードの再発に先行して「狐の嫁入り」の音源を公開しました。 ぜひ聞いてみてください。 新たなる解に音と制作の気分を寄せることを意識した2020年製。ミックスは森達彦さんです。 この曲はMAHOΩでやってた曲。 自分のこれまでの活動を通しても特に思い入れのある曲。 これ作った時にゆうくんが褒めてくれたのは一生の宝ですな。(他のメンバーも喜んでくれて嬉しかった。) 自分にとっての大事ものを、いつだってそのとき側にいる人に自分と似た理解の仕方で受け入れてもらえるわけじゃない。 自分の大事なものが尊重されて共有されるのは稀なこと。 そんな現象のそばには成功に似た形の何かがある気がする。 シンプルに今思うのは、 自分の歌う歌を聴いて、歌詞を想って しゅんとしてしまう様な(だいたいしゅんとしてるから) そういう人といると僕はだいたい幸せ。 単純なこと。シンプルなことが一番の幸せ。しゅんとしてるのが幸せ。ということか。 良い言葉や、知恵や、技術でなく、 期待もなく、羨望や嫉妬のない、 「共感」は奇跡。 それはきっとこの世の宝。 最近ビートルズのゲットバックを見て、誰もが知る名曲をポールが歌っていた(録音?)そばで、 寝っ転がって替え歌を歌うメンバー・その恋人・たくさんのおじさん・子供・うたた寝するメンバー・やばめのブーツを履いているメンバー、がいたことを知り「嘘だろ、、」と思いました。タフ。 あれを観た、バンド活動を経験した多くの人と語りたいものですね。 ゆうらん船の本村くんと話したら、彼の見たジョンレノンと僕の見たジョンレノンだと、これまた表現する言葉が違っていてなかなか面白かった。 ----- 先日、 ゆうくんの誕生日に「音楽始めて25周年」のイベントをやるということで、僕は「スガナミユウとうたの世界」というバンドにギターで参加。 短い時間だったけど楽しかった。良い曲ばっかでギターが楽しい。最高。 音楽友達がだんだんと普通の友達の付き合いになっていくのも悪くはないけど、寂しい。 ずっと続ける誰かのこと笑わないであげて欲しい。きっとその「いじり」と釣り合わない大変さだからさ。 って、これは別にゆうくんの話じゃない。俺の話でもない。 なんにしても、ゆうくんの周りの人たちは気さくで、それぞれにヒリヒリしたところもあって良いな と会場を眺めて思いました。 --

#15 須藤朋寿 (NEW FOLK)

イメージ
01. 「恋する団地」 (EP 『恋する団地』 ) - 自分にとって最も大切な曲の一つ。かつて確かにあった気持ちや関係、過ぎ去った美しい瞬間やほろ苦い記憶に囚われたり、懐かしんだり、忘れたりしながら、何よりも今日を ( 希望を込めて ) 信じていたいなと思い過ごしている只中で、変わったものも変わらないものもあるけど、この曲の弦とフルートが鳴った瞬間、その全てに光が射し込む感覚があります。 <21 世紀の世界はこんなに素敵さ > の一節は、 2014 年を生きた僕にとっての啓示でした。 02. 「犬にしても」 ( シングル『犬にしても』 ) - コンポーザー / プロデューサーとしてのアユ君に深く感動した曲。たっぷりとしたリズムに、厚みのある弦をメインにしたドラマティックなアレンジが、まちこさんの優しい歌を最高に引き立てていて何度聴いても込み上げてくるものがあります。朗々としていて落ち着きもある歌には " 犬 " の視点でも " 人 " の視点でもない、もっと大きくて包み込むような慈愛に満ちた眼差しが宿っているような気がしてなりません。 03. 「狐の嫁入り」 ( アルバム『新たなる解』 ) - 歌とコーラスとギターだけ、最低限の音数だからこそ際立つ曲の良さと、歌の情感がじんわりと染み入る一曲。アユ君の曲が纏っているトキメキやドキドキの核には、ロマンティシズムと共にナイーブな感傷が横たわっているような気がしていて、それに触れるたび胸がギュッと締め付けられます。 04. 「大ばか」 ( アルバム『遊撃手』 ) - 漠然とした絶望感や哀しさに少しずつ侵されていく感覚がある毎日で、重ねてきた年齢の分だけそんな気持ちとも折り合いをつけながら、たまに独りでキツくなることもあったり。そんな時、この曲と自分との距離感に沢山救われました。心根に触れてくるような名演です。 05. 「 COMMITMENTS 」 (EP 『 NEW TELEPORTATION 』 ) -ayU tokiO との出逢いの曲。シンプルなバッキングとその上を駆け巡るコーラスの波の後、訪れるサビに僕は完全に心を撃ち抜かれて今に至ります。 <There are various people I am afraid of it ~ > という歌が向き

#14 橋本竜樹

イメージ
・米農家の娘だから ・やどなし ・大ばか ・鯨の海 ・恋する団地 僕の一番好きな ayU tokiO の曲は「米農家の娘だから」です。アナログレコードを一緒に作ったからとかではなく、聴くたびに感動させられる、本当に大好きな曲です。「米農家の娘だから」は僕たちみんなが共有しているポップミュージックの型に頼りすぎることなく、言葉とメロディー、そしてアレンジに宿る意味を取りこぼさないように、おざなりにならないように、すごく丁寧に作られた曲だと思います。他の曲も同様に大切に作られているはずですが、この曲には特にそう感じさせられるのです。 ----- 竜樹さんとは洋次郎の時にも触れたけど、ミツメのイベントで共演したのが最初の出会い。 しかし、その前にも竜樹さんの姿を見たことがあった。 カジヒデキさんのBlue Boys Clubというイベントが原宿のアストロホールであったんだけど、それにヤックさんがHARVERDで出た時に竜樹さんはカジさんのバックバンドのメンバーだった。 (ちなみにドラムはげんさんだったと思う。) 2010年か2011年くらいかな。 ムスタングベースを持った長髪の個性的な男性(この頃はムスタングベースを持っているベーシストも長髪の男性もだいたい個性的だと思っていた)という最初の印象。偏見というほどではありません。 次に会った時のNag Ar Junaでのより個性的な出で立ちに度肝を抜かれた。 この時竜樹さんはモズライトモデルのビザールギターを持っていた気がするのだけど、このバンドの音がそれまでに見た池袋オルグでのどのライブよりも轟音だった印象です。繊細で轟音。 その後、洋次郎の紹介で改めて竜樹さんと話をして、彼のレーベルから自分の作品をアナログ化してリリースしてもらい、その後も仲良くさせてもらう様になった。 洋次郎・ぷんぷんくん・まちこと一緒に竜樹さんの活動周年イベントの東京・京都公演にも参加させてもらった。(僕はベース) 竜樹さんの周りは賑やかではあるけどとても穏やかに時間が流れる。この雰囲気が僕はとても好きです。 「集団の品格」について考える様になったのは竜樹さんと出会って、de.te.ri.o.ra.tionの持つ雰囲気が好きになったから。 自分もCOMPLEXレーベルとして動く様になり、都度関わってもらっています。 ・やなぎさわまちこ「回転画」ミッ

#13 須田洋次郎 (ミツメ)

イメージ
・ air check (恋する団地) 2015 年 1 月に、橋本竜樹さんが主催するレーベル de.te.ri.o.ra.tion から、 ayU tokiO の 2 作品がレコード化されました。この曲が収録されている『恋する団地』がそのうちの 1 枚。僕はレーベルの入稿作業をお手伝いしており、その延長としてリリースイベントをアユ君と一緒に企画して、会場へ打ち合わせに行ったりしたのを覚えています。 この EP は全体への思い入れが強いのですが、 1 曲選ぶとしたらこの曲。歌詞とアレンジの絡みが秀逸だと思います。 ・ Commitments ( NEW TELEPORTATION ) 上にあるレコード化された作品のうち、もう 1 枚が『 NEW TELEPORTATION1,2 』。 Commitments は EP の一曲目ということもあり、アユ君のソロの音楽の第一印象という感覚が今もあります。 破壊的なギターサウンドと儚いファルセットボイスの対比の美しさに涙が出ます。色褪せない至高の宅録音楽。 ・プロムナード 4D (新たなる解) アルバム曲らしい、混沌とした難しい感じが好きです。このちょっと狂った感じの雰囲気が、 2nd アルバムの遊撃手に繋がってるような気もして、そういう流れのようなものも聴いていて楽しいです。 ・大ばか(遊撃手) シンプルなアレンジが単調に聞こえないのは、 1 つはこのギリギリなドラムが影響しているように思います。体全体を使って 8 ビートに魂を込めているようなグルーヴ。そしてそれを生かした音数の少ないアレンジ。痺れます。 ・怪人( REV.01 ) 珍曲な要素がありつつ、解放されて気持ち良くなる箇所も同じ曲に同居しているというのは凄いバランスだと思います。 派手な展開をしながら、リズム隊やバッキングギターがミニマルに支えているのもかっこいいです。 次作はこのムードでいくのならとても待ち遠しいですし、もしくは全然予想が裏切られる可能性も含めて、楽しみです。 活動 10 周年、おめでとうございます! ----- 洋次郎はミツメのドラマー。 バンドのメンバーみんなで、しばしばMAHOΩのライブに遊びに来てくれた記憶が濃かったので、その関係性を思う事が多かったですが、 よく考えてみたら僕の昔のアルバイト先で出会った年下のバイト仲間が、ミツメの

#12 MATERIAL (MGMD A ORG. _ QUEER NATIONS)

イメージ
わたしの ayU tokiO 5 選 by MATERIAL (MGMD A ORG. / QUEER NATIONS) 「 NEW TELEPORTATION 2 」から「 Metastasis Device 」 東風くんのファンになった曲かも。 「恋する団地」から「 air check 」 友達の曲で涙腺が緩む曲ってそうそうない。 ” もっ ”( リヴァーブ ) 「遊撃手」から「 in 」 この名盤からは全曲で!と言いたいんだけど、この短い曲があちらの世界への入り口。 「 Rev.01 」から「迷いでんでん」 面白い音しか入っていない不思議な曲。めっちゃ好み。 「新たなる解」から「米農家の娘だから 'Album Version’ 」 自分にとっても宝物の曲。演奏に誘ってくれてありがとう。 ----- MATERIALこと鈴木さんとは面白い出会い方をしました。 ハモンスタジオが無くなってしまうことが決定=職場が無くなる というピンチをむかえた2014年夏。 恋する団地のプロモーションで取材を受けていた日の移動中、なりすレコードの平澤さんに「職場となる場所を探している」と話をしたら「あてがある」と。 怪しさを感じつつ期待して二、三日待つと「恋のパイナップルのゆみっこの家の隣が空くかもしれない」という連絡がありました。何言ってるのか良くわからなかったけど期待してよかった。 恋のパイナップル というのはゆみっこさんとすずきみすず(ayU tokiOで「あさがお」などを歌ってくれました。)によるポップデュオ。とても良いです。 彼女たちについてはもう少し後でお話しします~。 平澤さんに紹介されて早速行ってみた大田区池上の町工場。 その二階部分にオシャレなインテリアを施して暮らしていたゆみっこさん。 すぐ近所に元商店の建物があり、そこで暮らすオシャレな人々がいました。 その中の一人が鈴木さんでした。 この2階がちょうど空くということで、スムーズに話がまとまり、僕は楽器修理の作業場としてそこを借りることになりました。 ここから2年ほどはほとんど毎日顔を合わせるような感じだったので(あとから平澤さんも入居してくる)、話を始めればキリがないなのでここでやめます。 とにかく鈴木さんは最高。 鈴木さんはノイズインダストリアルデュオCARREのメンバー。 たくさんの貴重なシン

#11 タムラケンジ (hamonstudio, Qmonos)

イメージ
My Room 恋する団地 犬にしても 狐の嫁入り はじまりは今 犬が寝ているときも 君が塞いでいるときも ayU tokiO 楽団はテレポーテーションを繰り返し 21 世紀の音を奏でつづける Tokyo の北・南・そして西 深さを変えながら 響きを変えながら 旅はまだ途中 はじまりは今 次に見せてくれる景色を楽しみにしながら 透明なハーモニーの向こうに揺れてひろがる波紋をただ見る瞬間を ありがとう タムラケンジ ----- ケンジさんはハモンスタジオをやっていた人でayU tokiOとしての超絶恩人の一人。 そもそもは至高の国産インディギターポップバンド「totos」のメンバー。 自分が一番好きなバンドです。 ayU tokiOでもカバーしたり(new solution 4のソノシートチケットに収録「pink sunday」)してます。この曲も宇宙一好きな曲の一つ。チープなシンセ音でのリフメロはケンジさんによるもの。rolandのrs70くらいのシンセの音と思われます。 史上最多再生回数は自分だと思うくらいのtotosの超絶コアファンであった自分がケンジさんのもとで世話になることになり、ハモンスタジオでの話は数え切れないほどある。なんせ毎日いたから。 2010年の年末、実家から出て吉祥寺で暮らし始める頃、お世話になっていた楽器修理の工房も出ました。 ここでは楽器のリペアの技術を教わったわけではなく(リペア技術的なものは別に師匠がいます。)、仕事の仕方というか姿勢というか、そんなものをたくさん学びました。本当にお世話になった。 雇われてたわけでなく、常駐してるわけでもなく、お店の仕事を受けるわけでもなく、 部屋に自分の机を置かせてもらってショップを間借りしている様な形でした。 ちなみにこの時からの僕の楽器修理の屋号は「ayu tone」と言います。 guya toneが好きだったから、グヤさんの名前を変えて、「ayu tone」です。シンプル。 この時期の僕のお客さんには銀杏BOYZの中村さん(チン中村)、riddim saunter(現KONCOS)のヒロシさん、twee girls clubのスミレちゃんなど、その後の自分の音楽活動の基礎になった様な人たちも大勢いて、先日話したようにchefのシモリョーさんがケーキを持って会いに来てくれたのもこの場所。 僕