#15 須藤朋寿 (NEW FOLK)
01.「恋する団地」(EP『恋する団地』)
-自分にとって最も大切な曲の一つ。かつて確かにあった気持ちや関係、過ぎ去った美しい瞬間やほろ苦い記憶に囚われたり、懐かしんだり、忘れたりしながら、何よりも今日を(希望を込めて)信じていたいなと思い過ごしている只中で、変わったものも変わらないものもあるけど、この曲の弦とフルートが鳴った瞬間、その全てに光が射し込む感覚があります。<21世紀の世界はこんなに素敵さ>の一節は、2014年を生きた僕にとっての啓示でした。
02.「犬にしても」(シングル『犬にしても』)
-コンポーザー/プロデューサーとしてのアユ君に深く感動した曲。たっぷりとしたリズムに、厚みのある弦をメインにしたドラマティックなアレンジが、まちこさんの優しい歌を最高に引き立てていて何度聴いても込み上げてくるものがあります。朗々としていて落ち着きもある歌には"犬"の視点でも"人"の視点でもない、もっと大きくて包み込むような慈愛に満ちた眼差しが宿っているような気がしてなりません。
03.「狐の嫁入り」(アルバム『新たなる解』)
-歌とコーラスとギターだけ、最低限の音数だからこそ際立つ曲の良さと、歌の情感がじんわりと染み入る一曲。アユ君の曲が纏っているトキメキやドキドキの核には、ロマンティシズムと共にナイーブな感傷が横たわっているような気がしていて、それに触れるたび胸がギュッと締め付けられます。
04.「大ばか」(アルバム『遊撃手』)
-漠然とした絶望感や哀しさに少しずつ侵されていく感覚がある毎日で、重ねてきた年齢の分だけそんな気持ちとも折り合いをつけながら、たまに独りでキツくなることもあったり。そんな時、この曲と自分との距離感に沢山救われました。心根に触れてくるような名演です。
05.「COMMITMENTS」(EP『NEW TELEPORTATION』)
-ayU tokiOとの出逢いの曲。シンプルなバッキングとその上を駆け巡るコーラスの波の後、訪れるサビに僕は完全に心を撃ち抜かれて今に至ります。<There are various people I am afraid of it ~>という歌が向き合った漠然とした不安や寂しさと、希望と愛と諦めと、ひたすら美しいメロディ。MTRがバグってしまいそうなくらい壮大な展開で幕を閉じ、MY ROOMに接続する。未だ初めて聴いた時と変わらず、ウルウルきます。
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NEW FOLKの須藤くんとは「NEW TELEPORTATION」カセットのリリースをした頃に出会いました。
彼はタワーレコード渋谷店のバイヤーでした。
2013年くらいにカセットテープのリリースが(多分)珍しかった当時のタワーレコードでしたが、GOROGOLOの7inchのリリースと合同という形で新宿店でのインストアイベントをやることになりました。
「NEW TELEPORTATION」は完全に手売り販売のみ。その他SUBURBIA WORKSのアキラくんの手によって一部の店舗に卸していただけだったので、
通常、個人との取引を(多分)行っていないタワレコに商品として僕のカセットやGOROGOLOの7inchを卸すとき力を貸してくれたのはブリッジという流通会社でした。
この新宿店でのイベントをきっかけに「NEW TELEPORTATION」のカセットがタワレコ全店に取り扱ってもらえることになったのですが、
それからは特に渋谷店での販売数がすごくてびっくりしました。
カセットテープを推すのは今も昔も変わらず難しいですが(一昔前なら「再生デッキをもう持ってない」、今は「再生デッキ(カセットテープ自体)を知らない」)、
そんな中で「NEW TELEPORTATION」のテープがたくさん売れたのは、タワレコ渋谷店時代の須藤くんの熱意が凄かったからに他ならないと思います。
売り場のポップの勢いの凄さにややたじろぎましたが、やっぱり推されるのは嬉しいものです。ありがとう。
その後、2014年の「恋する団地」のCDを発売した時には流通を担当してくれたP-vineの協力もありつつ、渋谷店での大規模な展開がありました。
夏は渋谷店の1Fでインストアライブ(当時はこれが事実上のレコ発イベント的なものだった。)をさせてもらい、人もいっぱい来てくれてた。
いやはやこの年の感謝はすごい。
その後須藤くんはタワーレコードを離れて、色々やって、NEW FOLKというレーベルを立ち上げました。
そんな彼から去年の夏に久しぶりの連絡があり、シンガーソングライターのわがつまのライブサポートのバンドリーダーをお願いされました。
今日もスタジオで練習をしてきたところ。
随分歳の離れたわがつまを見ていたり、話をしたりしていると色々と考えさせられることがあります。
時代が巡っていることや(わがつまの服を見て)、
時代は巡っていくということ(15年前と同じ服を着ている自分を考えて)。
あと、巡っていく中で僕のポジションも少しずつ変わっているということ。
生きていると何かが少しずつ変わっていくことを見かけることがあります。
生きてたら、大きな何かが少しずつ変化していくことに合わせていくこともたまには必要。
自分のために、誰かのために、自分自身も楽しく変わっていきたい。
大事にされたり、大事にしたり。楽しくやっていきたい。
ときには大きく見せたり、小さく見せたりすることも社会生活での処世術なんだと思います。
でも僕はいつも等身大がいいな。って思ってます。
人の人生は一個だけ、自分の分だけ。多分そう。
それが寂しいと思う時もありますから、たまにあった時には元気に上手に笑っていたいなって思ってます。
疲れてる人みたいな文章ですけど、今僕は元気です笑
須藤くんのプレイリストに寄せて。
須藤くん、これからもよろしくお願いします!!!
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