#22 平賀レオ (クマに鈴)
米農家の娘だから(2016年 Version)
トラクターを運転しているいかついサングラスをかけたこの当時のあゆ君のポートレートいいよね。「恋する団地」に収録されているバージョンもいいけど、数々のライブを経て、血と汗と縁と想いをスタジオワークで昇華したこのバージョンが俺は好き。
毎回ライブで聞くとこの曲で涙腺がおかしくなるんだよな。
そこに愛があるからなんだよ。
美しいから泣ける。
蜜の罪/太いパイプ
7−8年近くあゆくんと親交を温めていく中で、あゆくんはずーっとクマに鈴を推してくれていた。ライブでサポートでギターを引いてくれることはあったけども、それまでは作品作りでは一定の距離感でおったのだけども、このCOMPLEXレーベルでのコンピに誘ってもらって、じゃあどうしようかとだした2曲のレコーディングメンバーにあゆくんも入ってもらって、クマに鈴で初めてレコーディングサウンドとして固まったバンドサウンドを収めることに成功した2曲。2曲と言っても2in1で1曲なんだけど。ナンノコッチャだと思うけど、それは聞いてくれたらわかる。
めっちゃかっこいいと思いますよ。
Air check (2014年EP まちこちゃん)
ノアルイの武末さんからの紹介でギターリペアをお願いすることを発端に、あゆ君との交流が始まったんだよね。リペア後のギターを受け取りに、当時のDJぷりぷりさんが企画したカセットのイベントにあゆくんがライブするというので受け取りついでにライブを見たんだけど、これがホントに凄くよくて。
裏さんをベースにまちこちゃん、あゆくん3人編成のライブだったんだけど、その時聞いたair checkがもう、ほんと超良かったの。その時はあゆくんではなくまちこちゃんが歌ってて。感動しちゃってライブ終了後に、とても良かったからその気持を伝えつつ、自己紹介としてその時持参していたクマに鈴の「話の話」を渡したんだよね。それに対してあゆくんがリリースしたばかりの「恋する団地」のCDを交換という形でくれて。今思い返すとすごくエモい。舐められたくないって気持ちもあったりして、結構突っ張っていた記憶も含めてエモい。でもライブ良すぎたから全然突っ張れてなかった気もする。それもエモい。
家に帰ってもらった「恋する団地」を眺めて触って、お互いに「モノ」としての作品作りに偏執的な思いをもって、取り組んでいるのにとても共感したし、尊敬した。
そんで、実際にCDを聞いてみると、全部よかった。驚いた。同じ歳で、インデペンデントな活動していて、とってもポップで、パンクで。
ただ、ライブでまちこちゃん歌ってるのが俺の「air check」だったから、あゆくん歌っていて最初ちょっと残念だった笑。
約束 みらべる
「義理と人情なら、とにかく任せてよ」
この歌詞。これが猪爪東風という男ですよ。
この一節だけで激推君です。
乙女のたしなみ NEW solution
当時二子玉川の勤務先に田園都市線で通っている時にめっちゃ聞いていた。
東京メトロはこの曲を買ったらいいと本当に思うし、もはや俺の中では東京メトロの曲です。あの地底で交錯する細かい高速線に乗る人々の群像、その天体模様をバッチリ音楽風景で描いていると勝手に受け取っている。
やなぎさわまちこ/右往左往
やなぎさわまちことまちこの恐竜のライブで一回、ギターソロ?というのか、間奏部の過剰なギター爆発をさせてるあゆ君がいて、それが僕は大好きです。
sing on the pole
・静かな朝
メンバー全員が30歳過ぎてから始めたバンドsing on the pole。メンバーそれぞれ社会生活をちゃんと送りながら自分たちのペースで、バンマスの曜の見ている世界観にそれぞれのメンバーがそれぞれの歩幅で寄り添い、とても居心地のいいサウンドを作っていたバンド。とはいえ、いわゆる音源制作のお作法や、レコーディングスタジオでしっかりと作品を作るということについてはみんな未経験。録音においてはよちよち歩きなバンドだ。そのよちよちながらも、楽しく微笑ましく歩むバンドをかねてよりあゆ君が見守ってくれてたこともあり、カセットを出そうとバンドとして決めたタイミングで、COMPLEXレーベルであゆくんをプロデューサーに製作をすることに。30過ぎてから思い思いの人生を歩みながら、音楽を始めていく。そんなsing on the poleのバンドの歩みや、バンドが孕むムードとCOMPLEXの理念がとても親和性が高かったこともあり、そうなった。
下北のレコーディングスタジオで1日で2曲収録し、初めてのレコーディングスタジオにはしゃぐ30過ぎの小僧ども。そして後日あゆくんの自宅でミックスをコンコンとしたのもとてもいい思い出。
特にこの静かな朝は、ミックスの思い出が濃い。
レコーディング時点でドラムにトリガー仕込んで、間奏部で地響きのようなうねる重低音をかましていたけども、一歩、二歩進んでごっつりミックスで地響き度合いを大地が凹む(ダイの大冒険でいうところのベタン)音を作り上げた。そして狂ったようなイントロのパーカッションサウンドに相成っていったミックス作業はめっちゃ楽しかった。
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クマに鈴 / sing on the pole のレオくん。平賀レオ。同い年の友達です。
上の文章の通り、パッション溢れる男性です。
知り合ったのは彼の言うとおり武末さんの紹介で楽器の修理を頼まれて~って感じです。
甲州街道沿いの明大前くらいの路肩で待ち合わせ、きっちりした服を着てグリーンの縁のかっこいいメガネの高身長な男がレオくんでした。本当にかっこいいんだよな。
預かったエレキギターはシンプルなフェンダージャパンのテレキャスターで、確かQ0シリアルのクラフテッドジャパンってことで2004年製くらいのやつだったような気がします。
「同世代なんだな」と感じてそれもなんだか嬉しかった。
そんな風に預かったギターをはじめにさっとチェックする時、瞬間感じることがたくさんあります。
人のモノへの憧れは愛情と呼んで良いものだと思います。そう思わせるレオくんはチャーミングなやつなんだと思います。テレキャスターよく似合ってるよね。
その頃の僕らは30歳を目前にして、この先どうやってやっていくのか誰もが考えて始めてました。あるいは考えているところでした。
今よりももう少し無軌道さがあったけど、やっぱりどこかにこの先の長いかもしれない「人生」のことを意識しないわけにいかない。
自分はこの後に「新たなる解」をリリースして、別のモードに入っていったり変わっていくんですけど、
その時にはレオくんが近くにいました。
2017年、COMPLEXを始めて最初にリリースしたのはやなぎさわまちこの音源。そのリリースとレオくんのやっているクマに鈴のテープボックスのリリースを掛け合わせて渋谷のHMVでイベントやったんですが、レオくんの「打ち上げをやりたい」という願いに乗ってレオくんに連れて行かれた中華スナックがかなりおもしろかった。
レオくんの連れてきた友達が「一番偉い人へ」を歌っていた気がします。あれは良かった。
COMPLEXの「多様性」という考え方を象徴するようなバンドの一つが、彼が僕に紹介してくれたsing on the poleというバンド。
レオくんと彼の幼馴染のヒカルくんや、その他同世代の友人による「結婚パーティーでの演奏」を目的に始まったらしい(そのエピソードがもう少し歳いってる感じだ)このバンド、いわゆる「バンドマン」然とした音楽活動を昔からやってきているわけではない人たちの、余興感も引き連れた緩やかなバンド活動。
そういうことだってあると思います。
諦めていくことも、弁えていくことも大事だけど、暮らしの上でやっていって欲しいなって思ってます。
それで、いつも健康に、お互いの幸せを願って暮らしていたいよね笑
その辺の話はREV.01の制作日誌(特設ページ)にもかなり細かくかいたのでチャンスがあったら是非読んで。
ということでCOMPLEXからリリースしたのがsing on the poleのカセット二作。かなり好きです。
そして、クマに鈴ですが、こちらはなんでもできる山本亨平こときょうちゃんとの音楽制作コンビ。レオくんはなんでもやれる平賀レオ。
コンビっていう感じがこれほどにハマる二人もあまりいないなっていう感じがします。良いコンビ。
レコーディングの時のレオくんの声のデカさにはかなり笑ったし、コンプレッサー(機材)の良い勉強になりました。ありがとう。
結構思い返すと2017~2020かなり面白かったし、コロナで世界は変わってしまったけどまた中華スナックで打ち上げしようよ。って思ってる。それまで各自、元気で。
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