#30 根本智視
根本智視
1.「新たなる解」から「米農家の娘だから」
2016年に原宿アストロホールでおこなわれたライブに、エンジニアのナンシーさんに誘ってもらい観に行きました。この楽曲をたしかそのときに聴いた気がします。それまで5年以上かな?猪爪さんとは疎遠になっていたところをナンシーさんとこのアルバムに引き寄せてもらいました。
2.「新たなる解」から「乙女のたしなみ」
アルバムで一番すきな曲です。各パートを脳内で分解して聴くとかなり尖った演奏ですよね。猪爪さんとまちこさんがユニゾンで歌うだけで音楽が豊かになる感覚があります。
3.「あさがお(カセット)」から「あさがお」
ぼく自身がマスタリング・エンジニアとしてはじめてたずさわったayU tokiOの作品です。イントロの音が上から聴こえる感じ、だいすきです。
4.「遊撃手」から「hi-beam」
この曲のミックスをされた森達彦さん(hammerlabel)は、ぼくがエンジニアを志すきっかけをくれたエンジニアさんと親交がある方で、その繋がりに勝手に大変にぶち上がりました。森さん味がつよいと思った曲です。アルバムのマスタリングを担当させてもらいました。レコードカッティングの立ち会いも痺れましたよね。
5.「REV.01」から「レモンの切り目」
めちゃめちゃ癖になる声だなと思いました。マスタリングを担当させてもらいました
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マスタリングをやってくれている根本は実は高校の後輩で、一緒にgoing steadyのコピーバンドをやってました。
僕が一年生の頃、冬頃にそのバンドを一緒にやることになる同級生のホンマカズキ(今映像作家になってる)と出会って、「この学年に話の合う奴がいないから、新入生を待とう」とか言ってたんですが、
翌春に入ってきた後輩の中でメンバーを探していたら同じテニス部にシュッとした感じの爽やかなやつが入ってきて(「長命」っていう)、そいつが別の部(陸上部)から連れてきたのが根本でした。
すっごい長髪で、無口で、常に眠そうで、
うちの高校の制服ってすごく変な形だったんですけどそれをかなり独創的に着こなし?ていて、
かつ、
爪が黒く(塗ってあり)、明らかにビジュアル系なルックスの根本(左利きで構えた時にヘッド同士がぶつかりそうだなとか思った)で、かなり不安に感じたのですが、この時に彼に出会えたことは人生の財産であったなと思います。
学生の時の知り合いとはずっとそのまま平行線のままの時間軸を進んでしまいますが、根本は根本できちんと自分の人生を進んでいて、今じゃかわいい娘もいるし、サイデラマスタリングのチーフエンジニアをやっています。
本当に、 時は流れるものなんですね としか言えない。
久しぶりに会った時に昔の感覚的に、こいつに任せたらまぁ大丈夫だろう。という感じでマスタリングをお願いしました。
人に何かお願いをする時って結局フィーリングだな と思ってますが、根本に対しては本当にそう。
僕は心が狭いので、任せられる人ってそんなに多くいないんですけど、根本は100%任せられる感じの人です。
最近、根本はYouTubeでマスタリングについての話をしているんですが、学生の頃に結構イジっていたt.A.T.uのことを『リファレンス音源』に選んでいるあたり、やっぱり胆力のある人なんだなと思わずにいられませんでした。
プレイリストの上で根本が色々言ってくれてますが、根本との再会は縁がむずばれていく幸福感と恐ろしさを感じます。
沢山の人間がひしめく東京ですが、近い質感の人同士、なんか集合するっていうことなんでしょうか。
根本は森さんとの親和性も非常に高く、自分の完成形の一つは「遊撃手」だったんだと確信しています。
がしかし、まだ続けますので今後ともよろしくお願いします。
ところで、僕は高校2年の時に初めて彼女が出来たんですが、
文化祭かなんかの後、川っぺりで(隅田川が近い)夜通し遊んでた時、僕の彼女が「根本くんってなんかいいなって思う」とか言ってるの聞いて[根本になりたい]とか、よくわからない弱気な気持ちになったのを覚えてます。
言語化ができなかった頃の気持ちに立ち返り、言葉にしていくことも出来るかもしれないけど、そんなことしなくてもいいかなと思います。(危ないし)
今年も来年も目の前に落ちてる言葉を拾って、ちぎって、棄てていきます。
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