『大・シーサー博』って何だったの 2(中)

レーベル活動を始めてからは、どちらかというと音楽活動の周辺の事を考えていることが増えました。

どうやったらCOMPLEXの仲間の音楽が続いていくのか。
販売の事を真剣に考えていると自分にとっての面白さがどんどん失せていき、楽しい方に考えようとすると無駄の多い、妙な催し事のアイデアばかりが増えます。
今回の大・シーサー博のテーマであった、

『ファンシー』・『トロピカル』

とはなんだったのか、テーマとした経緯をざっと話してみます。


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「多様性」と僕はしばしば口にしますが、何もかもが色んな形で良いはずで、それは本当に大事な事だと思っています。自分の見つめるものは当然「全て」に対応出来るものではなく寧ろその逆なんだと思います。
何かが続いていくにはバランスを保ち続ける事が必要になりますが、特殊な形のものを存続させるには当然特殊な形のバランス感覚を自分で探し出さなければなりません。

今年のはじめ頃。
COMPLEXレーベルでの自分なりの面白みについて考え直していました。
COMPLEXが指す「多様性」ってどのへんの事だったか。

COMPLEXは僕にとっての、ayU tokiOではない音楽活動の場所でもあります。
曲を作って演奏するだけがミュージシャンの音楽活動ではないと思っていて、他人と活動を共にする事もとても大事な事だと思います。
「バンド」の関係性とは別の、他者と手を取り合う事での可能性の拡がり。
これは現時点での僕にとってとても興味深い事です。

所謂音楽レーベル的に「リリースをする〜他人の音楽の世話をする」をする事よりも優先して、自分にとっての音楽活動として興味が湧く事なのかどうかというのが何よりも重要です。
自分の音楽の本分がどの辺りにあるのかを見失わない様に、バランスをとりながらじっくりやっていきたいです。

僕の考えるバランスが成り立つ瞬間がこの先に存在するなら、それは是非とも見てみたい。
今僕がCOMPLEXレーベルをやる大きな理由の一つはこれです。


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同じ時期に抱えていた言葉にしようのない寂しさのヤバさと、
snsで見かけたまなっちゃんの作った変わった佇まいのシーサー。


COMPLEX & 永原真夏 pre. ということでイベントをやってみよう。
ということで「大・シーサー博」という名前だけを持ってまなっちゃんに会いに行きました。


様々な出自の「シーサー」(参加者の緩やかな沖縄のイメージでok)を沢山集める事と、
(→知人に声をかけるだけでなく公募もすることにしました。)

出展者と来場者どちらもを「参加者」としたいという事は、
(→投票制にしました。)

一番初めにまなっちゃんと一緒に何かをしてみようと思った時にすぐに思いついた事でしたが、これは自分なりの「多様性」の許容を試してみたかった。ということなのです。


このテーマを「沖縄」にしてしまうのは安易と感じて、今距離を置きたい「情報」や「言葉」の方へと吸い込まれて行ってしまう気がしました。
なので、一つのテーマは沖縄から『トロピカル』に替えて、さらに緩やかに。


まなっちゃんは自分の事を「ファンシー界のロックスター」と言います。彼女らしくて快活さがあって良いです。
まなっちゃんと行う、多様な人達の集会のテーマのもう一つは『ファンシー』が良いのかもしれません。
COMPLEXの新たな指針の一つとして、近年のまちこ作のやや不思議で懐かしさのあるビジュアルでのトライにも興味が湧きます。

ルールをあまり設けないで、誰もがいて良い場所に出来たらと思いました。


こうして、大・シーサー博は『ファンシー』で『トロピカル』なバランスを探して進み始めました。

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